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侮るなかれ!登録販売者試験!

 縁あってか、登録販売者試験対策に携わっている。現在もある学校で登録販売者試験対策の教鞭を振るわせていただいているが、その前にも違う学校で教鞭を振るわせていただいたことがある。まあ、登録販売者試験も〝薬に関する資格試験〟。そして、薬剤師国家試験も〝薬に関する資格試験〟。薬剤師国家試験対策に長く携わっているとなると、登録販売者試験対策に関わることになるのも、コレ然り。私としては『 どちらであろうとも、試験対策で声をかけていただいている時点で光栄な話 』と思っている次第で…。『 講義をしてくれませんか? 』と声をかけられること自体、非常にありがたいこと、感謝すべきことだと、私は思っている。

 その登録販売者試験であるが…前に教鞭を振るっていた学校も含めると…少々間はあるものの、通算でかれこれ5年以上のキャリアを持っていることになる。まあ、現在も教えている関係から、今までの登録販売者試験に目を通すことも、当然ながら多いのだが…正直言って、その変動の大きさには少々びっくりするモノがある。手っ取り早く言ってしまえば、難易度が上がってきているということ。

 登録販売者試験が実施されて間もない頃(ちなみにこの頃は、まだ登録販売者試験対策には関わっていなかった)は、『 どんなものかな? 』と、実際に解いてみたことはあったのだが…まあ、その時点で有している〝薬剤師の知識〟及び〝薬剤師国家試験対策の講師としての知識〟で、何とか答は出せる状況。ズバッと『 答はコレだ! 』と出せるものも当然あるのだが、ほとんどが消去法。『1と3は確実に誤だから…4もなんかおかしいな…2かな? 』といった感じ。それでも正答を選んでいるのだから、『 全く持ってお手上げ 』『 手も足も出ない 』という状況ではなかった。当時、一緒に薬剤師国家試験対策を行っていた仲間の講師達にも聞いてみたが、やはりそんな状況で『 まあ答は選べるかな…って感じだよね 』と話していた。

 薬剤師国家試験対策を行っている教え子達の中にも、登録販売者の資格を持っている学生は、毎年何人かいる。『 薬剤師国家試験が駄目だったので、チョット登録販売者の資格を取ろうと思いまして… 』といった感じ。『 難しかった? 』と聞いてみると…『 う~ん、そうでもなかったですね。簡単ではなかったけど… 』とのこと。まあ、薬剤師国家試験に比べれば出題範囲もそう広いものではないし、問題数も多くはない。1日で終わるとあって、試験時間もそう長いものではない(あくまでも薬剤師国家試験と比較した話である)。薬剤師国家試験で少々苦労してきている学生たちにとっては、そんなに〝手に余る試験〟という訳ではなかったようである。実際、薬剤師国家試験対策をしている最中に、『 登録販売者の試験、合格しました 』と連絡してくれる学生さんも少なくはなかった。

 しかし…昨今は事情が変わってきているようである。『 登録販売者試験…受けたけどダメだったんですよ 』という声を、チラホラ聞くようになったのである。以前は大学在学中に受験して資格を取る学生さんもいたのだが、昨今は在学中に挑戦はしたものの、残念な結果となってしまったという話を聴く機会も少なくはない。卒業した後、すなわち薬剤師国家試験対策を行っている学生さんから『 登録販売者試験…ダメだったんですよ… 』といった声を聴く機会も増えてきている。やはり受かりにくくなっているのだろうか?

 登録販売者試験の合格率の推移を見ると…。まあ、登録販売者試験は都道府県の実施する試験であるから、当然ながら各県ごとに合格率の違いはあるし、もちろん問題の難易度もそれ相応の差はあるので、一括してその合格率を評価するというのも、いささか無理はあるのだが…とりあえず全国の合格率を見ると、平成27年の試験までで、大体43~47%の間を行ったり来たりといった感じである(1回目は75.7%と少々高めである)。『 各県ごとに合格率の違いはある 』と前述させていただいたが、例えば東京では最高で76.7%、最低で27.9%と、やはりばらつきがあったりするが、それでも40%代が多いようである。まあ、大体半分弱の人が受かる試験ということになる。つまり…とりわけ、受かりにくくなっているという訳でもないということ。

 以前、登録販売者試験対策の教え子と話をした際、『 自分は理系ではなかったので…結構大変ですね 』という話をしていた。『 理系でないって言っても、登録販売者試験に計算問題はないんだから、大丈夫だろ(ちなみに、今のところ計算問題は出題されていない)? 』と言ったところ…『 イヤ、計算じゃないんです。身体の仕組みとか、生物系が大変なんですよ 』とのこと。なるほど…どうも〝理系〟という言葉を耳にすると『 数字・計算 』というのが、すぐに頭に浮かんでしまうが、確かに文系では〝生物〟はやらないようだ。やはり、生物をやるのは、理系なのか…。まあ、『 生物理系問題 』は横に置いておいて…確かに生物系に触れたことが無ければ、登録販売者試験問題は少々難儀なものになるかもしれない。薬を扱う以上、体の仕組みを知っておかなければならないのは、言わずもがな。私が教えている範囲でも、普通に『 交感神経が興奮することによって… 』とか『 アセチルコリンが、ムスカリン受容体に結合するのをブロックすることより… 』『 胆汁とは、肝臓で生成され、十二指腸に分泌される消化液で… 』なんていう話をしている。確かに、生物にあまり触れたことが無い人間にとっては、未知の分野であるからして、なかなか大変なものがあるのも、これ然りである。

 ん?では、薬剤師国家試験対策を行ってきた人間は?薬学は理系。もちろん大学6年間で体の仕組みはもちろんのこと、薬に関してもたっぷり勉強してきている。もちろん、薬事関連法規・制度や医薬品の適正使用・安全対策なんかも勉強してきているはず…。なのに…私の周りでは、合格しない人が増えてきている。これはいったい、どういうことだろうか?

 受かりにくくなってきているという訳ではないのだが、試験自体の難易度が上がってきているのは事実である。漢方処方製剤なんかの問題も、少々際どいコースの投球がなされていたりする。中には『 オイ、何だこの問題! 』なんていう問題もチラホラ目にするのは事実。しかし、薬剤師国家試験対策を行ってきた人達が、なかなか合格しなくなってきている原因は、そこではないと思う。では、何が原因だろうか?私が見る限り、薬剤師国家試験対策を行ってきた人間が、登録販売者試験でいい結果を出せない場合は、往々にして〝驕り(おごり)〟が見られるということ。早い話『 薬剤師国家試験対策をやっているんだから、登録販売者試験なんて簡単だろ 』という気持ちが見受けられるということである。

 どんな試験であろうとも、試験は試験である。その対策姿勢、受験姿勢に上下はない。そして、どんな試験であろうとも、侮った時点で負けである。どのような試験であっても、侮らず100%をつぎ込む。これが試験対策というものである。武芸家はどんな相手と戦おうとも全力を尽くす。獅子は兎を狩るにも全力を尽くす。これと同じである。実際、薬剤師国家試験対策の教え子達の中にも、登録販売者試験に合格している人はたくさんいるが、皆、真面目に勉強していた人達である。昨年も、教え子が登録販売者試験に合格しているが、真面目にコツコツと勉強していたようである。もともと、真面目な学生さんであったので、登録販売者試験に対しても真摯に取り組んでいたのだろう。

 薬学出身であろうと、薬剤師国家試験対策を行ってきた人間であろうと、そうでなかろうと、そんなことは関係ない。登録販売者試験は登録販売者試験である。1つの試験として、それ相応の対策をしなければ、いい結果が出ないのは当たり前の話である。前述のように、どんな試験であれ、その対策姿勢、受験姿勢に上下はない。平成30年度の東京都における登録販売者試験は、9月9日(日曜日)に行われる。早い所では8月29日が試験日である。試験まで、あと1カ月強といったところか…。そろそろ試験対策もラストスパートに入る時期である。平成30年度の登録販売者試験に臨む方は、驕ることなく、真摯な気持ちで試験対策に精進してもらいたいと思う。驕ること無きラストスパート…そして、その勢いで合格をつかみ取ってもらいたい。そう願っている次第である。

 

 

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