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電気ウナギも発電すると疲れる!

 私は〝水棲生物大好き人間〟です。当然、水族館も大好きな人間です。以前は誰かと会うと「水族館に行こう!」と誘ってよく水族館に行っていました。あっちこっちの水族館に行くというよりは、同じ水族館に何回もいくなんていう状況の方が多いのですが、全然飽きることはありません。もちろん、旅行先なんかで水族館があると、いの一番に〝水族館へ行く!〟という行動を日程に組み込みます!以前、シンガポールに行った時、セントーサ島にある水族館を訪れたことがありました。その名も〝アンダー・ウォーター・ワールド〟。数千種にも及ぶ多種多様の熱帯の海洋生物が泳ぐ、シンガポール最大の水族館です。ただでさえ水族館好きな私ですから、あの水族館の素晴らしさには、ただただ感激するばかり!この水族館の一番の売りが、巨大な水槽の中にある全長83メートルのアクリルトンネル。そこを歩くと、さながら海中散歩でもしているかのように、サメやエイ、海ガメや熱帯魚なんかを眺める事ができるのです。その眺めはまさに圧巻の一言。正直、涙が出ました。

 先日久しぶりに訪れた水族館は、〝アンダー・ウォーター・ワールド〟のような大きな水族館ではなく、まあ並みの水族館でした。もちろん、水族館としては十分楽しめるもの。実は、その水族館、昔一度行ったことがあったのですが…昔よりも近代的というか、水棲生物を眺め易い構造になっていて、中々良かったです。他にも色々と改良された所はあったのですが…一つ気になったことがありました。それは電気ウナギの水槽。今回は食堂というか休憩室というか、そういう場所の壁に水槽が入っており、眺められるようになっていたのです。実は、私が以前この水族館に来た時、印象に残っているもののなかに、この電気ウナギがいたのです。というのも、以前は一般の魚と同じような場所に水槽があり眺めるようになっていたのですが…その水槽の上部には電球が数個仕込まれていたのです。で、電気ウナギが電気を発すると電球が「パッ、パッ」とついていく仕組みになっていたのです。電気を沢山発すれば、点灯する電球の数も増えていく仕組みでした。電球2つ、3つとつく度に、「おおっ!電気を出している!」と感激したものでした。

 で、当然のことながら、お客さん達、電球を沢山つけたいがために水槽を叩くは、驚かすわ…。その度に電気ウナギは、驚きのあまり激しく動いては電気を発するという具合でして…まあ、電気ウナギとしてはとっても迷惑なことだと思います。お客さんが来るたびに驚かされるんですから。水族館のお客さんなんて、そう途切れるものでもない訳ですから…電気ウナギの立場からすると途切れることなく脅かされる羽目になるのですから、これは堪らないでしょうね。〝平穏〟といった言葉からは程遠い日常を送ることになるのですから…。

 ちなみに電気ウナギ、筋肉を動かすのと同じように、神経から指令を出し、ATPを消費して発電しているそうです。そうATP。薬学の人間なら一度は聞いたことがある(というか知っておかなければならない)言葉ですね。〝生体のエネルギー通貨〟と呼ばれている物質です。生物は色々なエネルギーをいったんATPという形にします。で、エネルギーが必要な時に、このATPを分解してエネルギーを発生させ、それで筋肉を動かしたりなんかします。ちなみに、蛍はこのATPを使って、光っています。もちろん、前述のように電気ウナギも、このATPを使って発電するのですが…「ATPを分解してエネルギーを発生させる」ということは「ATPを消費する」ということ。当然、補充されずに使い続ければ減少していき〝疲労〟という状態になります。そのため、疲れたり年老いたりしている電気ウナギは、うまく発電できない場合もあるそうで。逆に言うと、疲労した状態は発電力は落ちているという訳ですから、比較的安全に捕獲できるということ。で、水面を棒などで叩いて電気ウナギを刺激して発電させ、疲労状態へと追い込み、発電できなくなったところを捕獲するという方法があるそうです。

 「電気ウナギが発電する」ということは、我々が「ジョギングする」とか「スポーツをする」とか、そういった状況といえるのです(ATP消費ですからね)。ジョギングだってスポーツだって、そりゃあ本人の意思無く途切れることなくやらされたらたまりませんよ。疲労困憊も甚だしい、という状況になってしまいます。電気ウナギだって絶え間なく発電していれば、同じ状況になってしまうのです。おそらく〝電気ウナギの発電コーナー〟が無くなったのは、そんな理由からでしょう。電気ウナギも食堂の壁の水槽でのんびりしていられるようになって、さぞ平穏な日々を堪能できていることと思います。

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