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クマンバチは飛ぶ。

 正しくはクマバチ(熊蜂)。クマンバチは『 コシブトハナバチ科のハチ。日本産ハナバチ類では最大。体は黒色で、胸部は黄色の毛で覆われる。枯れ木などに穴を掘って巣を作り、中に花粉や蜜を集めて幼虫のえさにする。本州から九州屋久島まで普通にみられる(デジタル大辞泉より) 』という蜂。まとわりつくように、人の周囲を飛ぶ(しかも羽音が大きい)ので、かなりの恐怖感を与えるとのこと。大きさは2cm程度で、体が太くて丸みを帯びている。まあ、俗に言う『 ズングリムックリ 』という体型。お世辞にも小さいとは言えない蜂だろうし、ましてや毛(しかも黄金色!)で覆われているので、見た目にはもっと大きく見えるはず。そんな大きな蜂が、黒のボディに黄金色の毛で覆われているなんていう視覚効果抜群のスタイルで己の周囲を飛び交っている訳だから、恐怖感も一入である。

 前述のように、クマンバチは決して小さな蜂ではない。ボディも、ズングリムックリしている。まあ、そのポッチャリさ(?)がウケてか、カワイイと評価する人も少なくないとのこと。写真等で見て頂けると分かると思うのだが…ズングリムックリの大きな黒のボディに黄金色の体毛。体系の割には、小さな羽根。確かにカワイイ…と、チョット待て!ズングリムックリ大きな黒のボディに、小さな羽根…飛べるのか、この蜂は?

 ご存じの方も多いことと思うが、クマンバチの飛行に関しては、長年謎に包まれていた。ぶっちゃけ、飛べないはずなのである。大きなボディーに小さな羽根。筋力等を考慮しても、飛ぶことは不可能。早い話、航空力学的には、クマンバチは飛べないはずなのである。長い間、そう結論付けられてきた。今は科学も進み、クマンバチが飛ぶことを科学的に証明することが出来るようになっている。レイノルズ数という、流体(空気も流体である)の慣性力と粘性力の比を表す数を計算に入れ…と、何とも頭が痛くなってしまうような理論ではあるが、まあ、それでクマンバチの飛行法は、現在証明されているらしい。

 飛べないモノが飛んでいる…。長い間『 何故飛べるか? 』が分からないのに飛んでいるクマンバチは、格言・名言の中に登場することも、しばしば。

 

クマンバチは本当は飛べない物体なんだ。 でも、飛べないことを知らないから、飛べるんだよ。

斎藤茂太(精神科医)

 

空気力学試験ではクマンバチは飛ぶことができないはずだった。

しかし、クマンバチはこの事実を知らずに突き進み、飛んでいった。

イーゴリ・シコールスキー航空機のパイオニア、ヘリコプターの父

 

 飛べるはずがないものが飛ぶ。このことは、人をとても勇気づけてくれることだと思う。名言・格言だけではなく、科学の世界でも『 彼らは、飛べると信じているから飛べるのだ 』という説が大真面目に論じられていたそうである。信念が不可能を可能とすることが、科学的に論じられたということになる。それ相応の立場にある人間でさえ、『 信念が不可能を… 』などと発言をした所で、科学界では取り扱ってくれるはずもなかろう。それを一匹の蜂が成したのだ。なかなか、ニクイ事をしてくれる蜂ではないか?

 もっとも、当のクマンバチはそんなんこととはつゆ知らず、今も昔も羽音を立てながら軽快に世界各地を飛び交っている。そんなクマンバチを、長年『 何故飛べるんだ? 』と追い回してきた人間達。彼らは、そんな人間達を見て、どう思ったことだろう?そんな人間達が、もしクマンバチに『 何故飛べるんだ? 』と聞いたら、何と答えるのだろう?

 

 飛べるか飛べないか、そんなことは分からないよ。でも、自分がどうして飛べるかなんか知ったことじゃないし、知ろうとも思わない。現に、こうして飛んでいるんだから。逆に聞きたいんだけど…なんでそんなに、『 飛ぶための仕組みを理解する 』ことが必要なんだろう?飛びたいから飛ぶ。飛ぶ必要があるから飛ぶ。それが飛ぶための理由。それだけでいいんじゃないかな?長い間、自分たちはそうやって飛んできたし、その仕組みが分からなかった所で、不自由することなんて一つもなかったけどね。飛びたいから飛ぶ。そして飛ぼうとして飛ぶ。そのことに、大義名分を掲げた、かしこまった理屈なんかいるのかね?

 

と、不思議な顔をされるのではないだろうか?イヤ、クマンバチは元来おとなしい蜂だそうだから、あまりにも『 事を成すための大義名分 』を探そうと、血眼になっている人間から質問を受けたら…その姿に怖気づいて、何も喋られなくなってしまうのではないだろうか?

 確かに、事を成すための理由を探求することは悪いことではない。しかし、往々にして『 策士策に溺れる 』となってしまう事も事実である。ここは一つ、クマンバチを見習って、素直になることも必要なのではないだろうか?なりたいからなる。やりたいからやる。そういう、単刀直入で自分自身に素直な理由や動機も、時には必要なのではないだろうか?

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