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立ち食いそば…なのか?

 毎度毎度、書かせてもらっていますが、我が薬進塾がある浅草橋は問屋さん街ですが、飲食店も数多くある街です。何故か中華料理屋さんが多いのですが、もちろんそれだけではなく、とんかつ屋からラーメン屋、カレー屋から蕎麦屋、有名チェーンの飲食店などその種類も豊富です。何気に良く目にするのが、お蕎麦屋さん。やはり下町といった土地柄なのでしょうか、年季の入ったお蕎麦屋さんを良く目にします。中には「創業江戸安政元年。現在、八代目」などと言うお蕎麦屋さんもあったりして、「やはり江戸っ子は蕎麦好きなんだな。だから長く続くんだ」などと感心してしまう位です。

 日本人は〝蕎麦好き〟〝饂飩好き〟に分けられるそうですが、私は蕎麦好き派。「自分はラーメン好きだな」なんて野暮なことは言ってはいけません。とりあえず〝蕎麦好き〟〝饂飩好き〟に分けるのが日本人です(まあ私もラーメンメガ好き人間ですが:笑)!で、蕎麦が好きなもんだから、お昼もお蕎麦屋さんに行ったりするのですが…江戸っ子の蕎麦は量が少ないのが特徴。調べてみますと、江戸っ子の間では小食であることが良しとされていたそうです。江戸っ子の小食を「江戸腹」と言い、これが粋とされていたとのこと。逆に山盛りにされたものを腹一杯食べるのは粋とは言えなかったそうで。当然、蕎麦も小盛りにされたものが江戸っ子に好まれていたのだそうです。となると…江戸時代から続く由緒あるお蕎麦屋さんは、当然、江戸人の心意気を伝えているものですから、量の方はそう多いモノとはなりません。まあ、蕎麦通の人やお年を召した方、女性などには適量なのかもしれんせんが、私にとっては今一つ物足りない量なのです。私が江戸っ子であれば「小食が粋なんだい!」となるのでしょうが、あいにく私は江戸っ子ではないもので、やはり老舗のお蕎麦屋さんの蕎麦では、昼食としては今一つ足りない感があるのです(もちろん味には大満足ですが)。

 そんな理由で、良く利用するのが、いわゆる〝立ち食いそば〟。量も満足、大盛りにするとなお満足、値段の方もリーズナブルと、私にとっては嬉しい限り。もちろん、色々なトッピングが出来るのも嬉しさの一因でして、私はいわゆる〝天玉(かき揚げと卵)蕎麦〟で食べるのが大好きです。昔は立ち食いそばといったら「早さが一番、味は二の次」といった感がありましたが、今はどっこい味も大したもので、蕎麦好きの私も十分に満足出来るものに。蕎麦自体も昔と違い、うっすらと透明感のある中にしっかりと蕎麦粉が入っているのが認識できるような立派な蕎麦。昔は〝グレーのでろんとした麺〟とう感じでしたからね。もちろん蕎麦つゆの方も満足出来るものに。変に甘かったり、しょっぱかったりということもなく、しっかりとした出汁でカツオの香りが堪能できる蕎麦つゆになっています。

 そこで、前述のように足げに通うことになった訳ですが…立ち食いそば…自分が行く浅草橋のいわゆる〝立ち食いそば〟は、どこも座って食べる形式…。それは〝立ち食いそば〟と言わないのではないか?立って食べるから〝立ち食いそば〟というのではないのか?おまけに、ほとんどの店が立って食べる場所がないというか、完全着席制(?)だ。それでも〝立ち食いそば〟なのか?調べてみたところ、立ち食いそば店とは「主に蕎麦や饂飩などを供し、客が立ったまま食べるスタイルの営業形態(立ち食い)を基本とした飲食店」とされている。「立ち食いを基本とした」…つまり、必ずしも食する形態は立っていなくてもいい訳で。「基本的に立って食べるのがノーマル系だよ。でも座って食べるのもありね」といった感じなのだろう。まあ、駅そば(特に構内にある店)は別としても、確かに座って食べる方が落ち着くし、出来れば座って食べたいものだ(駅そばは時間が優先される故、やはり立ち食いの方が良い)。それは恐らく私だけではないはずだから、座って食す場所が増えるのも当然だろう。「立ち食いそば屋だけど、やっぱり座って食べたい」というお客のニーズに応えた営業形態となったのだろう。蕎麦の中身だけでなく、その営業形態も進化しているようだ。

 などと考えていたところ…。良く良く思い出してみると、私が行く〝立ち食いそば屋〟…店のどこにも〝立ち食い〟の文字がない…。そう、勝手に〝立ち食いそば屋〟だと思っていただけで、店自体には「立ち食い」の「立」の字もない!〝厨房がほぼ丸見え、〟〝食券を出すと同時に調理を始める〟〝水も蕎麦もセルフサービス〟〝店がそんなに大きくない〟〝カウンターがメイン〟〝メニュー内容〟等といった条件から、自分で勝手に〝立ち食いそば屋〟と決めていたようだ。店の中を見ると、どう見ても立ち食いにした方が、沢山のお客が収容出来そうなのだが…。やはり上記のようにお客のニーズに応える方を選んだのだろう。なるほど、いつ行っても並みの立ち食いそば屋よりも、お客がいるような感じがする。こうなると、私が行っている〝立ち食いそば屋〟は、もはや〝立ち食いそば屋〟とは呼べないのではないか?イヤ、店自体が〝立ち食い〟と謳ってない以上、第三者が勝手に〝立ち食いそば屋〟などと呼んではいけないであろう。では、何と呼ぶのか?良く良く考えれば単に蕎麦屋なんだから〝蕎麦屋〟と呼べばいい訳であるのだが…やはり彼らには彼らなりの、新しい名前を考えた方がいいような…。あんなにもリーズナブルで、便利で、そして美味しいんだから…。飲食店界の中での、彼らなりのスタンスを与えてやりたいものだと思う今日この頃である。

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