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カッパは今の日本を憂えているのか?

 先日、カッパを釣りに行ってきた。場所は遠野にあるカッパ淵。「釣りに行ってきた」とは言ったものの、チョットした手違いから、カッパを釣ることが出来なかったことが何とも腹立たしい。何でもカッパを釣るには〝カッパ捕獲許可証〟なるものが必要なのだそうだ。そんな事とはつゆ知らず、カッパがいるというカッパ淵まで勇んで出かけていった次第。いざカッパを釣ろうとしたところ、カッパ捕獲許可証が必要との掲示を発見。「では許可証を…」と思ったのだが、どうやら許可証は釣り場から結構離れた所で発行されているらしく、残念ではあるがカッパを釣ることをあきらめることとなった。カッパ釣りをしている人を横目に、何とも残念な気持ちで、しばらく水面を眺めていた。

 その昔、カッパ淵にはカッパが多く住んでいて、人々を驚かし、いたずらをしたと言われている(遠野市観光協会HPより)。「その昔」と書かせてもらったが、今はどうなのだろうか?少なくとも最近は人々を驚かしたり、いたずらはしていないようである。もし、カッパがそんなことをしたのなら、よほどの事件・事故が無い限り、間違いなく1ヵ月位はマスコミの話題になるだろう。チョットした芸能人がやらかした事件や、政治家の失言なんかは足元にも及ばないほどのセンセーショナルな出来事であることは間違いない。「その昔~中略~カッパが多く住んでいて」とあるのだから、おそらく近年、その数は減ってきているのであろう。なるほど、日本の伝承にはよくカッパが登場している。江戸時代の書記なんかには、目撃談が結構記されているし、日本各地にも沢山の伝承が残っている。人とも仲良くやっていたとの話も沢山あるから、昔は結構身近な存在だったはずである。それを、見かけなくなってきているということは…やはり、近年、その数は減ってきているのではないか?

 と、ここまで読んできて「何をバカなことを書いているんだ?カッパなんかいるはずないだろう」と思われている方も多いと思う。人がどう思うかは自由である。しかし、私はカッパが存在しないとは思わない。では、存在すると思っているのかというと…理論的に考えさせていただくならば、目撃談があるということは、一概に存在を否定できるものではないと思っている。だから私の中では、あくまでもカッパの存在に関しては「いるんじゃないかな。見た人いるみたいだし…」となっているのだ。残念ながら、私はカッパを見たことはない。だからといって「カッパはいない」としたくない。私は「自分は見たことがない=存在しない」という、強気な人間ではないからだ。「自分が知らないだけで、存在するかもしれない」と思うタイプの人間である。森羅万象の理は、人間がおいそれと理解し、簡単に釈明出来るものではないはずである。悠久にして劫なる森羅万象の理の流れなど、我々人間などの足元にも及ばない奥深きものであるはずだ。人間の存在など、森羅万象の中では本当にちっぽけなものでしかないのだ。だからこそ「自分は見たことが無いから、そんなもの存在しない」という考え方には陥りたくないのである。

 カッパは水の神様が姿を変えた精霊であるとか、水神様の使いであるとか言われている。昨今の日本では、水神様が憂えてしまうような、汚れた湖沼や河川が多くなっているのはご存じのことと思う。そんな汚れた水の中ではカッパも住めないだろうし、そこから現れようともしないはずだ。確かに綺麗な湖沼や川もある。だが、それは護岸工事もバッチリ施された、無機的なキレイさだ。そこには自然が持つ暖かさなど微塵もないし、森羅万象が宿命的に併せ持つ生命の息吹もほとんど感じられはしない。とてもじゃないが、水の精霊であろうカッパ達には〝やりきれない・堪らないキレイさ〟であるはずだ。彼らには葦が生い茂り、様々な生命の息吹があるであろう〝生きた水場〟こそが、美しくキレイな水場なのだから。だからこそ、最近ではその数が減ったり、人間の目に留まる機会も激減したのではないか?

 もしかすると、カッパは現代日本人に辟易しているのかもしれない。余裕もなく、今さえ、自分さえとあくせく動き回る日本人に対して…。自然の温もりも、生命の息吹も、そして自分達が大自然の一部であることも忘れてしまった日本人に対して…。昔は、ノンビリお互い仲良くやっていたが、とてもじゃないけど、そんな日本人とは関わりたくもない。そう思って、己からその身を人前に晒すことをしなくなったのではないのか?だからこそ、その目撃例も減っているのであろう。おそらく、どこぞの人知れぬ山奥の泉の中で、ノンビリやっているのかもしれない。残念なことに、今の日本にはそんな場所もそう多くはなかろうから、そこには日本中のカッパが集まって来ているのではないか。「ここも、ずいぶんと混みあってきたものだ。何やら世知辛いことになってきたもんだが…人間の方は大丈夫なのかなぁ…昔はノンビリやっていたのに…」なんて、カッパ界の中でも私のような変わり者のカッパが、ボンヤリ考えているのではないか…なんて思う、今日この頃である。

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