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いじめていい理由などない!

 昨年、文部科学省が実施した〝いじめ緊急調査〟によると、全国公私立の小中高校などのいじめの認知件数が、4月からの半年間で14万件を超えたそうです。もちろん、これは把握できた数であり、専門家は「認知されていないものはまだある」とのこと。14万件という数字を、皆さんはどう思いますか?「1件=1人」と単純計算は出来ないとは思いますが、14万人近い人がいじめを受けていると考えても、差し支えないのではないでしょうか?もちろん、認知されていないモノもありますから、実際はこれ以上の人数になるのでしょうが…。今もどこかで、14万人の人が、理不尽ないじめによって泣いている。もしかすると、命を断とうとしている人もいるかもしれません。年も明けたのに、新たなるいじめに関するニュースが報道されていたりもします。今もどこかで誰かが泣いている…。

 前述の文部科学省の調査では、対象が小中高校ということでしたが…。私は、薬剤師国家試験予備校の講師という仕事を長くやってきましたが、いじめという問題には何度も遭遇してきました。さすがに我が薬進塾は少人数生ですので、開塾以来、一度もいじめ事件は勃発していません。私は、いくつかの予備校に籍を置いていた経験がありますが、どの予備校でもいじめはありましたし、いじめによる相談も毎年のように受けていました。いじめの相談を受けた学生さんのほとんどが、女の学生さんでした。それも、まじめで大人しくて、どちらかというと成績もいい学生さんが多かったように思えます。そんな学生さんが、沈痛な面持ちで「先生、相談があるんですけど…」などと蚊の鳴くような声でやってくるのです。話を聴いてみると、いじめられているとのこと。無視される、嫌みを言われる、これ見よがしに気分を害することをされる、成績のことで難癖付けられる、etc…。涙ながらに訴える学生さんの姿は、誰一人として正視できるものではありませんでした。そして、そんな姿を見る度に「どうして、こんなに人を悲しませるんだろう?」と心の底から思わずにはいられませんでした。もちろん、いじめている方はそんなこと考えないのでしょうが…。いじめている方も学生さんですが、いじめられている、そして目の前で泣いている人も私の学生さんなのです。自分が知っている人間(ましてや教え子)が、こんなにも悲しい思いをしていると思うと、こちらの悲しさも一入なのです。

 いじめられている人は、年齢に関わらず社会に生きている一人の人間です。ですから、そのいじめられている人と関わりを持つ人は、沢山いるはずです。その関わりを持つ人達は、私が教え子がいじめられ心苦しい思いをしているのと同じように、自分の知人がいじめられ、悲しい思いをしていると知ったら、やはり心を痛めるのではないでしょうか?いじめられている人にも家族がいます。自分の家族が、いじめにあって悲しい思いをしていると知ったら、どう思うでしょう?なんとも、いたたまれない気持ち…イヤ、それこそ身を引き裂かれるような辛い思いをするのではないでしょうか?いじめている人間は、その辛い思いが分かっているのでしょうか?もちろん、分かっていないから、そのようなことをするのでしょうが…。だからこそ、いじめで事件が起きた時、いじめていた方は、いけしゃあしゃあと自分の正当性を主張するのです。「いじめてはいない。遊びだった」とか「あの人が○○だったから…」などと…。

 私が対応した、いじめ問題の時もそうでしたが、往々にしていじめる方は「だって、あの人が○○だから…(○○には色々な理由が入ります)」などという言い訳をします。じゃあ逆に聞いてみたいのですが、○○だったら、その人をいじめてもいいのでしょうか?○○ならば、その人はいじめられても仕方ないのでしょうか?そんなことあるはずがありません。どんな理由があろうとも、人をいじめるという行為は許される行為ではないのです。いじめている本人は、いじめていることに疾しさを感じているはずです。だから「私が悪いんじゃない。○○だからあの人はいじめられてもしょうがないんだ」と、言い逃れしているだけなのです。「いじめをしている私が悪いのではなく、あの人が○○だからいじめられてもしょうがないんだ」と、責任転嫁しているだけなのです。ある意味、人間として最も卑劣な責任転嫁とも言えるのではないでしょうか?

 いじめていい理由などありません。そんなモノは存在しないし、存在してはならないのです。人が人として生きていく以上、人が社会の中で生活をしていく以上、そんな理由などあってはならないし、存在さえしてはならないのです。もちろん、そんな卑劣な理由とも呼べない戯言を、「いじめられる方にも問題あるんだよな」などといって受け入れてはならないのです。いじめていい理由などない。誰もが、この事をしっかりと認識することが、今、必要とされるのではないかと思うのです。

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