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何故、人を不安にさせるの?その1

 この時期になると、何気に多くなるのが「不安なんです」とやってくる人たち。まあ時期も時期ですからね。やはり不安な気持ちに襲われる方は多いわけで。20年近く講師をやっていますが、季節モノというか、この時期には恒例のことです。で、色々と指導したり、励ましたりするのですが…それでも、なかなか不安をぬぐいきれない人が、これまた毎年のようにいるものです。不安の根が深い人。「なにを、この人はこんなに不安がっているのだろう?」と不思議に思いつつも、色々聞いてみると…。これまた毎回同じような理由が返ってくるのですが…まあ、若干の差異はあれ共通しているのが「不安がらせている人がいる」ということ。不安がらせる人…。それは友達であったり、同じ予備校の学生であったり、学校の先輩であったり、時には家族の方であったりするのですが、とにかく当人が不安になるようなことばかり言う。ただでさえ不安定な時期なのに、周りの人からそんなこと言われてしまえば、尋常な人間ならひとたまりもありません。私としては不安がる当人に笑顔で対応しつつも、心の中では「何でそんなこと言うんかいな!」と並々ならぬ憤怒の炎がふつふつと燃え盛っている次第で。その〝不安にさせるネタ〟の内容たるやこれまた千差万別で、「今度の試験は難しい」といった〝(ガセ)ネタ派〟や、「そんな点数で大丈夫なの」といった〝恩着せがましい派〟、「私なんか○○なのに、あなたはこんなんで…」といった〝見下し派〟から、「大丈夫?本当に大丈夫なの?どうする?」といった〝根拠なき脅かし派〟まで色々とある次第で。そんなものに翻弄されて、国家試験前の繊細な心を揺さぶられて不安になっている学生さんを見ると、本当につらいモノがあります。「何でみんな、この人が元気になるようなことを言ってあげられないんだろうな」と憤怒の炎を燃やすとともに、悲しい気持ちにもなったりします。そう、なんで「励ます」んじゃなくて「脅す」んだろうと…。

 私が大学生の頃、学生実習のたびに「今日の実習はものすごい大変」とか「今日の実習は夜の12時を超えるよ」といった情報が、まことしやかに流れていました。毎回、実習前に流れる。でも、実習が終わってみるとそれほど大変でもなければ、そんなに時間も遅くはない。あまりにも毎回事実と違う前情報が流れるもので、ある日、実習前にそんなことを言っている人を捕まえて聞いてみたことがあります。「ねえ、どうして今日の実習はそんなに大変なの(時間がかかるの)?」と。すると皆、似たような返答をするのです。「いや…なんか大変そうな感じだから…」「時間がかかるっていう噂だよ…」、etc…。う~ん、どれも不確か…いや、全く根拠のない情報(こういうのを世間では〝デマ〟というんですが…)のような…。「大変そうな感じ」というのは、あくまでもあなたの主観であって、実際に難しいか大変かどうかは別問題でしょ?「時間がかかるっていう噂」だというから「じゃあ誰がそんなこと言ってるの?」と聞き返せば「イヤ、なんか…」と口ごもる次第。結局、そんな噂流れてないじゃない…っていうか、あなたが流しているんじゃない!…と、問い詰めてみれば、なんともお粗末な結果というか情報源だったのです。で、そこでまた私には疑問が浮かんだのです。「何故、この人たちはそんなこと(信憑性のない情報を流すこと)をするのか?」さらに「何故、人を不安にさせるようなことを言うのか?不安にさせるようなことをするのか?」と。

 このことを、小学生から面倒を見てもらった私の恩師に聞いてみたことがあります。その時、返ってきた答はこうでした。「自分よりも不安になっている人間がいるということで安心するんだよ」と。「?」と思っている私に、さらにこう話してくれました。「自分も不安でしょうがない。でも、自分よりもおびえている人間がいると『自分よりも不安になっている人間がいるんだ』と自分より下の人間がいることで安心してしまうんだよ」と。私が「でも、そんなことしても何にもならないじゃないですか?第一、それで自分の不安が消えるわけではないんだし」と言うと「自分よりもおびえている人間を見れば『自分はあそこまでではない、まだまだ自分よりも下がいる、自分はましなんだ』という位置を取れる。自分より下がいることで、自分は下じゃないからと、優越感を感じることができ、安心できるんだよ」とのこと。当時の私としては分かったような、分からないような、ただ何ともイヤな感じになったことは確かでした。人を不安にすることで、自分を安心させる人間がいる。人を不安にすることで、自分が優越感に浸ることが出来る人間がいる。今、こうしてブログを書いている最中にも、何だか心の中がモヤモヤというか…イヤ、はっきりと気分が悪くなる思いです。

 確かに前述の〝見下し派〟なんかは、優越感に浸るいい例でしょうね。結構いるんですよ、人の点数や状況に関して、自分と比較してはネガティブなこと言ってくる人が。まあ、見方を変えれば「自分にはポジティブな部分ばかりを取り上げている」わけで。私の恩師が言ったように「だから私は大丈夫なんだ」と安心したいんでしょうね。実際、そういうことを言う人に、いろいろ話を聞いてみると「自分が安心したい」という姿勢がチラホラと見え隠れしています。私から言わせれば「じゃあ、あの人と比較して、あなたはココとココなんかは、どうなの」なんていう具合になるのですが…でも、ダメなんですよね。〝見下し派〟の人にこんなこと言っても。「そこの所は試験に関係ない」だの「今度の国家試験では、そういうのは…」なんて逃げられてしまうんですから。まあそうでしょうね。「はい、そうです」なんて認めてしまったら、不安で不安でたまらない訳ですから。不安を感じないために、人と比較しては脅かしているんですから…。まあ困った人ですが…それが私の学生となれば、徹底的に指導させていただきます(笑)。

 〝(ガセ)ネタ派〟に関しては、私の学生実習の時の輩と一緒ですね。単に〝根拠・信憑性のない情報を流す〟ことで、人を不安にさせ自分を安心させようっていう魂胆ですから。人が不安で恐れおののいている姿を見て「自分はあそこまでおびえていない、自分よりもおびえている人間がいる」といった、何とも情けない安心感に浸りたいだけなんでしょう。問い詰めれば「イヤ、ちゃんとした情報ですよ!」なんて強気に出るんでしょうが…チョット突っ込んで聞いてみると「○○が言っていました」なんて、全然〝ちゃんとしていない情報〟だったりするものです。○○には先輩だとか先生だとか、友達だとか予備校だったりとか、まあろいろなモノが入るんですが…実際、蓋も開けていない国家試験の情報など、知っているのは国家試験出題委員の方だけです。そうでない方の御意見は、残念ながら主観を交えた予想程度のものでしかありません(まあ、それはそれで意味はあるんですが…)。いいところ「国家試験出題委員の先生が言っていたそうです」位の情報源なのですが…残念ながら国家試験出題委員の方は、国家試験の情報を漏らすことはありませんので、念のために。「漏らさないんですか?」と言う方。ええ漏らしませんよ。漏らした場合をなんというか知っていますか?〝犯罪〟というのです。実際、看護師国家試験の問題内容を試験委員が漏えいしたとされる事件では保健師助産師看護師法違反罪で、歯科医師国家試験の問題を漏えいした歯科医師国家試験委員は歯科医師法(試験委員の不正行為の禁止)違反で、それぞれ逮捕されていますから。大体「言っていたそうです」ですからね。試験委員の方、本人が言っていたかどうかは、全くもって定かではありません。ましてや、その〝定かでない情報〟でさえも伝言ゲームのように伝わっていく中で脚色され、全く違う情報になっているなんてこともしばしばありますから。少なくとも、この大切な時期に振り回されるほどの情報でないことは確かです。こんな〝怪しげなガセネタ〟で、不安になってしまい、精神力を削り取られて、心身ともに疲労困憊してしまうなんて、それこそ〝不安にさせる人たち〟の思うつぼですよ。そんな人たちの思うつぼだなんて悔しいじゃないですか!振り回されずに、落ち着いて勉強していくことの方が賢明なことですよ。ただでさえ不安になりやすい時期なんですから、余計な怪しい不安はほっといた方が良いですよ(笑)。「じゃあ〝恩着せがましい派〟や〝根拠なき脅かし派〟はどうすれば?」という方!それは次回の講釈で!

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