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天玉ソバ 危機一髪!

2022/05/11

 以前『 立ち食いソバが食いたい! 』というタイトルでブログを書かせていただいた。書いているうちに、筆が進み…いつもの悪いクセでかなりの文章量になってなってしまい、『 こりゃ、イカン 』と前編後編に分けたことが昨日のことのように思い出される。

 『 立ち食いソバが食いたい! 』というブログを書いたのは、前編が2020年11月24日、後編が2020年12月04日。いずれも、コロナ禍真っ只中の〝猫も杓子もコロナ乱痴気騒動(私はこう呼んでいる)〟の時。人と人との接触やら、飲食やらに対し、〝戦時中の『 従わなければ非国民扱い 』レベル〟の厳しい措置が、半ば強制的に実施されていた時である。ブログの内容は…立ち食いソバを食うにも、現在は一苦労のご時世。はやく、平和に立ち食いソバを食べたいな…という平和へのスローガンを謳ったものであった(笑)。

 やっと乱痴気騒動も収まり、自由に立ち食いソバを食べることができる平和な世の中になったかな、と思いきゃ…ロシアとウクライナの間でキナ臭い…というか戦争が勃発(このブログでは、『 ロシアのウクライナ侵攻 』ではなく、あえて〝戦争〟という言葉を使わせてもらうことにする)。まだまだ、平和とは言えない世の中である。どうも、人類いう生き物は『 一難去ったらまた一難 』…というよりは『 自ら起こした一難が冷めたら、新たに一難勃発させる 』といったように、自ら厄介ごとを引き起こしては、すったもんだするという歴史を繰り返しているようだ。こりゃあ、平和への道のりも遠い訳だ。

 戦争なので、目を覆いたくなるような悲惨なことが、これでもかという位起こっている。これに関しては色々な所で、色々な方が色々な方法で訴えている。なので、今回の戦争に関しての人道的内容、政治的内容に関しては、世界中の多くの発信者にお任せするとして、当ブログでは、違う方面から色々と書かせていただきたいと思っている。その〝違う方面〟こそ、天玉ソバの危機である。『 人の命が云々の事態の時に、天玉ソバとはけしからん! 』という人もいそうだが…前述したように、人道的な部分、政治的な部分の訴えに関しては、それを発信されている多くの人に預けるという趣旨であり、決して人道的な部分を軽んじているわけではないことを、改めて強調させていただきたいと思う。それに…天玉ソバの危機だって、大変な事態であることには変わらない。

 ロシアは世界有数の、ソバ生産国である。あまり知られていないが、日本はロシアから、かなりの量を輸入しているとのこと。日本の玄そば(殻付きのそばの実)の輸入国は1位中国、2位アメリカ、3位ロシアという順番だそうで、かなりの割合をロシアに依存していることになる。今回の戦争で、ロシアからの輸入が影響を受けることは間違いない。ちなみにロシアは昨年、市場価格高騰を受け6月5日~8月31日の間、玄ソバの輸出を禁止する連邦政府決定をしている。

 実は、中国からの輸入もピンチである。米中貿易摩擦により、大豆やトウモロコシの輸入価格が上昇したため、中国は国内のソバ生産を抑制させ、大豆やトウモロコシの生産を増やしている。それにより、中国から日本への輸入が減り価格の上昇が続いている。そう、ソバ危機は今に始まったことではないのである。

 小麦の影響に関しては、ご存じのとおりである。ソバというのはソバ粉と小麦粉のブレンド品であるからして、小麦の影響も打撃を食らうことになる。小麦の生産国は1位中国、2位インド、3位ロシア、4位アメリカでウクライナは7位(国連食糧農業機関FAOより)。今回の戦争でロシア、ウクライナの生産が低迷すれば…小麦の価格も暴騰することになる。

 となると…当然、その影響は価格に跳ね返ることになる。立ち食いソバのいい所は、『 立ち食いソバでも食うか… 』と気軽に食べられるところにある。価格が上がってしまえば…気軽に食べることもかなわなくなってしまう。イヤ、それどころではないかもしれない。下手をすれば、『 ソバは高級品であるがゆえ、めったに食べられない 』なんていう事態になり、立ち食いソバが食べられなくなってしまう…なんていう状況も、十分考えられる。せっかく立ち食いソバを、思う存分堪能しようとした矢先にこれだ!戦争というものは色々と奪うものだが、こういった人の楽しみを奪うことも決して忘れてはいけない。

 ソバを食べる時、かけソバだけを食べるという人はあまりいない。〝立ち食いソバが食いたい!~ 後編 ~〟の中でも『 何かをトッピングすることにより、バラエティーに富んだ様々なソバを生み出すことが可能なのだ 』と書かせていただいたが、やはり立ち食いソバの魅力はトッピングである。実際、トッピングしてソバを頼む人が圧倒的に多いはずである。立ち食いソバのトッピングといえば、やはり揚げ物であろう。かき揚げから、海老天、イカ天、ちくわ天など、様々な揚げ物がトッピングとして人気がある。そして…揚げ物には当然、小麦粉が使われる。ここでも小麦危機が登場することになる。イヤイヤ、本当にこれは困った…イヤ、かなり危機的な状況だぞ!

 私は天玉そば、すなわち、かき揚げと生卵のトッピングソバが大好きでいつも食しているが…。玉子が物価の優等生と言われたのも、今や昔の話。ここ数年、玉子の価格も上昇している。理由は様々あるのだが…背景に飼料価格の上昇などもあるとのこと。そして…卵を産んでくれる鶏のエサ、つまり飼料は大部分が穀物であり、輸入に依存している部分が大きいことも、ご存知の通り。特に、鶏の飼料として使用割合が高いとうもろこしは、米国、ブラジルに大きく依存している。こう見ると、一見、ロシアとウクライナの輸入量は少ないので安心かと思いきや…そう簡単なものではない。戦争が長引くなか、世界の穀物価格は高騰し続けている。この影響は、当然、玉子の価格にも影響を与えることになろう。

 うわ~っ!天玉ソバ、ヤバいのか?せっかく、コロナ禍も落ち着き、思う存分、天玉ソバが食えると思ったのに。その天玉ソバ自体が危機。俺は戦争が憎い!そして…せっかくコロナの乱痴気騒ぎが収まり、通常営業で『 さあ、取り戻すぞぉ~! 』とばかりに、獅子奮迅の想いでいる立ち食いソバ屋さんの足を引っ張ることになるかもしれない状況…。こりゃあ、本当にとんでもない状況だ。少しでも立ち食いソバ屋さんを利用して、応援してあげなければ!この場を借りて言わせていただくが、全国の立ち食いソバ屋さん、頑張ってくださいね!私は応援していますよ!あの美味い、天玉ソバをいつまでも食べられるよう、頑張ってください。

 それにしても、戦争は害悪だ。子供のころから耳にはしてはいたが、今、身に染みてとんでもないものだと痛感している。前述させていただいたように、今回の戦争に関しての人道的内容、政治的内容に関しては、世界中の多くの発信者の方々に今回は譲るとして…。美味しいものが食べられなくなる。普段、当たり前のように食べていたものが、食べられなくなる。こんな悲しいことがあるだろうか?食は人を幸せにする。食は人に安らぎを与える。食は人を癒す。そして、人を豊かにする。モノを食べることができるということは、幸せなことである。そして、美味しいものを食べることができるということは、至上の幸せなことである。人に安らぎを与えるモノ、人を癒すモノ、人を豊かにするモノ、そして人を幸せにするモノを戦争は奪った。こういったことから鑑みても、やはり戦争というモノはロクでもない害悪のものである…ということが、理論的に証明できるのではないだろうか?

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戦争はいかんです。腹が減るだけです。

by 水木しげる(日本の漫画家、妖怪研究家)

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