イメージ画像

おでん考

 最近、ウチの塾のごみ箱で目立つようになってきたのが、コンビニのおでん容器。まあ寒い季節となってきましたので学生さんも温かいものが食べたいのでしょう。寒い季節になったせいか、コンビニも「おでん70円セール!」なんて具合にやりますから、さらに購買意欲に拍車がかかるのも一入(ひとしお)。おでんの容器も小さいものから、大きいものまで目にするようになりました(ゴミ箱の中に:笑)。

 で、この〝おでん〟なのですが…。皆さんは馴染みがありますか?というか、小さいころから良く食べていました?実は、私の出身地の方では〝おでん〟はあまり馴染みのない食べ物でした。もっとも私の子供の頃の話ですが…。一料理としての感覚はあったものの、それだけの話で「なんか煮込んだ料理」位の認識しかありませんでした。で、こちらの方に出てきたとき、自分の中で一料理でしかなかった〝おでん〟が、広く普及(?)しており、皆に馴染みある人気料理であることを知って、ちょっとびっくりしたのを覚えております。ましてやコンビニにも置いてあるなんて。自分の中では一料理…まあ、あとは屋台で酒を飲むときの定番メニュー位の感覚しかありませんでしたからね。コンビニでレギュラー化されているのには驚きました。そういったこともあってか、こっちに来たばかりの頃は良くコンビニのおでんを食べてたものです。美味しいというのもあったのですが、やはり〝物珍しい〟というのが大きかったですね。「こんなに身近にあって、いつでも好きなものを食べられる状況にあるんだ」と、なかなか新鮮でした。昔〝おでん缶〟というのが売られていたのをご存知ですか?現在売られているような、ドリンクサイズの缶におでんが入っているタイプのものではなく、40×20cm四方、厚さ7cm位の缶(ここまで大きくても〝缶〟というのですね:笑)におでんが入っているやつです。で、缶詰の上部がプルタブ式で開けることができるようになっていまして、まあ現在流通している缶詰(イージーオープン缶)と同じ開け方で開けるようになっていました。で、食べる時には、プルタブを引っ張って、蓋(?)を半分ほど開けた状態にして、ガスコンロに掛けて温めるのです。すると、あったかおでんが出来上がり!という具合です。そのおでん缶にも衝撃を受けた私は、実家に持って帰って(もちろん宅配便で他の荷物と一緒に送りましたが)、家族に食べさせた覚えがあります。

 皆さんは、おでんの具(おでん種か:汗)というと何を思い浮かべますか?これまた前述にある通り、私の出身地では、おでんはあまり普及しているとはいえない食べ物でした。ですから、おでん種といわれても、出てくるものはいいところ片手チョットくらい…。「えっ!?そんなに少ないんですか?」と思われるかもしれませんが、実際そんなもんでしたよ、おでんの具は(給食におでんが出ることもありましたが、おでん種はそんなもんでした)。こちらに来た時のおでんの衝撃が大きかったのは、そのおでん種の多さにも大きな要因があったと思います。ざっと調べただけでも、コンビニのおでんで30種類以上のおでん種がありますからね!「こんなにおでん種があるのか?」という驚きもさることながら「えっ!こんなものまでおでんに入っているの!」なんて衝撃も良くありました。

 で、そのおでん種なんですが…。皆さんはおでん種といえば何を思い出しますか?先ほど「あとは屋台で酒を飲むときの定番メニュー」と書きましたが、以前は良くテレビでこんなシーンを見かけました。主人公が屋台のおでん屋に入り「注文は?」と聞かれると「じゃあ、ガンモドキとハンペン、ちくわぶ…」なんてシーン。皆さんは別になんともないシーンに感じるでしょうが…。実は、私の出身地の方ではコレがとっても謎めいたシーンとなってしまうのです。〝ちくわぶ〟?〝ちくわぶ〟って何だ?そう、今はそんなことはないと思いますが、その当時、私の出身地では〝ちくわぶ〟は売っていなかったのです。ですから、私の周りの人間には〝ちくわぶ〟を知る人がいなかったのです!友達聞いても、学校の先生(ほとんどが地元出身の先生でした)に聞いても、親に聞いても分からない。まあ〝地元には存在しない食べ物〟でしたから、仕方ないのですが…。もちろん、おでんのなかにも〝ちくわぶ〟は入っていませんし、だいたい食べたどころか、前述のごとく見たことある人もいない始末で。辞書を調べて「グルテンに小麦粉などを混ぜ、ちくわ形の型に入れて蒸したもの(大辞泉)」と書かれているのを見ても「小麦粉?」「ちくわの一種じゃないのか?」「どんな味なんだ?」と逆に謎は深まるばかり。実は「親に聞いても分からない」と書きましたが、母親の方は地元出身なので分からなくとも仕方がないのですが、父親の方は関東出身。当然、知っていると思い質問すると…「麩をちくわの形にしたやつだ」という、これまた用量の得ない返答が…。「もっと具体的に…」と聞き返しても「麩をちくわの形にしたやつとしか言いようがない」とのこと。まあ、ちくわぶを知ってしまった今となっては、この返答のとおりだとは思うのですが…。当時は全く合点がいかず「一体何なんだよ、ちくわぶって!」と憤慨していたものです。

 「謎の物体ちくわぶ」はもちろんのことですが、前述のように、こちらのおでんには色々なおでん種が入っていることにも驚かされました。例えばロールキャベツ。ロールキャベツ自身は知っていましたが、食したことがほとんど無かったので、おでんの中で見つけた時には驚きも一入。おでんの具材として和風だしで煮込むというのは日本独自の食べ方とのこと。さらに、おでんの大御所である紀文さんによりますと「元々は西洋料理のロールキャベツがいつからおでんに入るようになったかは不明」とのこと。うまいもんは何でも和風仕立てで食べてしまう、日本の食文化が垣間見られますね。さらにびっくりしたのが〝ジャガイモ〟。私の出身地はジャガイモの名産地でしたが…その名産地のおでんにさえジャガイモは入っていませんでした。自分にとって身近なジャガイモがおでんに入っていたということも、なかなか衝撃的なことでした。

 進学と同時に、こっちにやってきておでん種にびっくりさせられた私ですが、やはりおでんという日本人にとってポピュラーな料理であっても、それはそれは地域性のあるものなのだなと、今だに感心している次第です。その通り、調べてみるとおでんには〝地域制によるおでん種の違い〟というのが結構あるみたいで。一度、屋台のおでんで見たことのあるフランクフルト。沖縄では、おでん種として一般的なものとのこと。京都では湯葉がおでんに入るとのことで、これなんかは思いっきり地域性が出ていますよね。静岡では〝鰹の心臓〟が入っていたり、熊本の方では馬のすじ肉、北陸の方では加賀巻が入ったりと、やはり地域性満載。庶民の食べ物でありますから、その土地土地の人が、自分たちの良く食べるものをおでん種として食しているうちに、地域性豊かな食べ物へと変貌を遂げていったのでしょう。「日本全国どこにでもあって、それでいて地域性豊かな食べ物」ということは「いかにおでんが日本人から愛されている食べ物であるか」ということの証だと思います

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

ブログ 薬進する日々!!の新着記事

このページの先頭へ