イメージ画像

語呂が無いのに語呂合わせ!?

ご‐ろ【語呂/語路】  言葉や文章の続き具合、調子。「―がいい」  デジタル大辞泉より

 講師をしていると、学生さんはホントに語呂合わせが好きなんだなぁ…とよく思います。以前、薬剤師以外の国家試験対策で講義をしていたことがあるのですが、そこでも語呂合わせを伝えると、学生さんの目の色が一瞬にして変わるのが分かりました。まあ、試験対策というものには、語呂合わせはつきもの。おそらく、すべての試験対策に語呂合わせというものが存在しているはずです。ご多分にもれず、薬剤師国家試験対策においても、沢山の語呂合わせが存在しますし、私自身も自分で作成したオリジナルの語呂合わせをいくつも持っています(門外不出の語呂合わせです:笑)。私が薬剤師国家試験を受験する時にも、いくつか語呂合わせを活用した覚えがありますし、その当時にもいくつかの有名な語呂合わせが存在していました。私は合格してすぐに講師として教鞭をふるうことになったのですが、教えるにあたり、やはりいくつかの語呂合わせを作ったことを覚えています(その語呂合わせは現在も健在です)。

 そんなこんなで巷には、星の数ほど語呂合わせが存在するのですが、時には「先生、こんな語呂合わせがありますよ」なんて教えてくれる学生さんもいます。誰かから聞いたり、自分で作った語呂合わせなのでしょうか、色々な語呂合わせを多くの学生さんから聞かせてもらいました。中には「オッ!いいね」なんていう語呂合わせもあるのですが、じゃあ、その語呂合わせを講義中に伝えるのかといいますと…伝えることはないのです。私にも講師としての意地というかプライドがありますからね。誰かが作成した語呂合わせを、講義で伝えるなんていうことは、プライドが許しません(笑)。人が作った国試対策の語呂合わせを、自分の国試対策講義に、その試験対策法の一環として取り入れることなぞ、私には出来ないのです。「○○さんから聞いたんですが…と断ればいいんじゃないですか?」という人がいるかもしれませんが、それもしたくはないのです。「でも、いい語呂合わせなら学生さんに伝えた方が…」というのも、ごもっともな意見かもしれません。しかし、それもイヤなのです。自分の国試対策講義である以上、自分が作成したモノ以外のことを使用するということが、私には許せないことなのです。では、どうするのか?それ以上の語呂合わせを作ります(笑)。実際、そうやって幾つもの語呂合わせを作ってきました。実は語呂合わせ、作るというのはなかなか困難なものでして。一つの語呂合わせを作るのに、あれやこれやと頭を痛めることは、語呂合わせ作りにはつきものの話。ましてや、前述のように既存の良き語呂合わせがある場合、それを超える語呂合わせを作るなぞ、至難の極み。だからこそ、「珠玉の語呂合わせか!?」なんて思える良き語呂合わせが出来上がった時には、至上の喜びとなるのです。ましてや、それで学生さんが納得している顔なぞ見た日には、嬉しさも一入。「本当に作って良かった!」となるのです。

 では、学生さんが教えてくれる語呂合わせが、全ていい呂合わせかというと…一概にしてそうでない場合の方が多いのです。教えてくれたのに申し訳ないのですが、「?」と思える語呂合わせの方が多いのが実状なのです。そんな「?」という語呂合わせに、私が一番感じることは「語呂になっていない」ということ。冒頭にあるように語呂とは「言葉や文章の続き具合、調子」ということ。つまり「語呂合わせ」とは「言葉や文章の続き具合、調子が合っている」ということ。なのに、私が耳にする語呂合わせの多くが「語呂があっていない:言葉や文章の続き具合、調子が合っていない」「語呂がない:言葉や文章の続き具合、調子がない」ものなのです。「おいおい、どこが語呂合わせなんだい?」なんていうものに、めぐり合うのは日常茶飯事。中には「ただの文章つなぎ合わせじゃないんかい?」というものもあります。もちろん教えてくれる人には罪はありませんし、その好意には感謝している次第です。私が言いたいのは、あくまでも〝語呂の無い語呂合わせ〟自身についてなのです。そして、語呂合わせなのに語呂が無いことが、そして、そんな語呂合わせが〝語呂合わせ〟と称して跋扈(ばっこ)していることが、非常に不思議に思えてしまうのです。

 以前、ある学生さんが「先生これ使って下さい!」とカセットテープを渡してくれたことがあります。なんでも、国家試験対策で覚えなければならないことを、曲に乗せて歌っているとのこと。俗にいう「歌で覚える」という手法のヤツですね。友達と作成したとのことでしたが、60分テープのA面B面にたっぷりと歌ったテープのその本数5本。ざっと計算しただけでも、5時間近く〝国家試験で覚えなければならないことを歌っている〟計算になります。で、そのテープを聞いてみたのですが…。音楽に乗せて歌って覚えるというのも、「音の調子で覚える」といえるので、ある意味語呂合わせと言えるかもしれません。しかし、件のテープに入っているその歌とやらは…曲に乗せて、覚えることを羅列しているだけ。曲には乗せているものの、調子には乗っておらず、間もてんでバラバラ。これじゃあ、歌詞を覚えるべくして覚えようとしても、次の歌詞、すなわち覚えるべきことが出てこないのでは…。そんな心配をよそに、歌っていらっしゃる本人は、いたって心地よいらしいく、酔いしれて歌っていましたね、5時間近く。まあ、あれで覚えろと言われても無理でしょうね。いや、歌っている本人でさえ、覚えているかどうか眉唾ものの歌でしたから(笑)。あれで覚えるなら、覚えるべきことと〝にらめっこ〟しながら覚えていく方が、まだ覚えられると思いますよ。まあ、カタストロフィ級のインパクトはあったんですけどね(笑)。

 語呂合わせもいいのですが、やはり理屈から覚えた方がいいことも沢山あります。「急がば回れ」というように、実際、時間がかかってしまうように見えても、理屈から覚えた方がとても効率よく覚えられることも沢山あるのです。それを「語呂合わせの方が手っ取り早いから」といって、理屈抜きで語呂合わせで覚えてしまわれる方も多いのですが、感心できる方法ではありません。もちろん、中には語呂合わせで覚えた方が効率よく覚えられることもあります(だから、沢山の語呂合わせが存在しているのですが…)。語呂合わせで覚えられることは、語呂合わせで覚える。理屈から覚えるべきことは、理屈から覚える。「物事に取り組む場合は、それ相応の道具を駆使することが大切である」ということは、当然ながら試験対策にも言えることなのです。それを間違ってしまうと…前述のような、カタストロフィ級のインパクトある、語呂合わせとは言えない語呂合わせが誕生してしまうことになりますよ(笑)。

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

ブログ 薬進する日々!!の新着記事

このページの先頭へ