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試験対策は、基本、一人でやるものです。

2019/08/14

 塾生達に常々言っている言葉。学習指導等での講演でも言っている言葉である。試験対策は基本一人でやるものである。昨今の薬剤師国家試験の世界には、試験対策として芳しくない言動が多くあるが、そのうちの一つが『 皆で合格しよう 』といった内容の言葉。まあ、『 ここにいる皆が合格するよう頑張りましょう 』的な励まし言葉なら分からなくはない。『 皆、受かろうね 』というのは、ある種、社交辞令的な言葉であるからして、使用したところで特に問題はないだろう。しかし…これが、社交辞令ではなく『 皆で一丸となって合格するぞ 』と〝言動〟の〝動〟の方、つまり行動として現れてくると、いささか…イヤ、大いに問題あるものとなってしまう。

 薬剤師国家試験は、個人で受験するモノである。団体戦ではない。さらに試験対策も、皆で行うモノではない。薬剤師国家試験を受験する人の学力はまちまちである。勉強のやり方も、進め方も進み方も十人十色と言って間違いない。視点だって、考え方だって違う。そんな人間たちが、果たして『 皆で一緒に… 』なんて具合に、試験対策を進めることができるのだろうか?もちろん、同じ講義を受講することはできる。しかし、その後の復習や質問などは、一人ひとりが異なるモノとなる。一人ひとりが異なるモノである以上、やはり一人で行うモノである。一人ひとりが異なるモノであるのに、皆で一緒に…つまり違う人と一緒にやるという事は、当然ながら、どこかにそのしわ寄せが来ることになる。しわ寄せ…これが、試験対策の足を引っ張ることになるのは言うまでもない。

 よく『 皆で一緒に勉強して、教えあえば理解が深まる 』等、発言する人間がいるが…。確かに、人に教えることで理解が深まることはある。しかしそれとて、いつも一緒にいて、何かあるごとに質問されていれば、自分の勉強が滞ってしまうことになるのは言わずもがな。知識が、自分よりも今一つ身に付いていない人間と一緒に勉強して、『 分からない 』と言ってくるたびに教えていれば、自分の勉強など進むはずがない。せっかく、勉強のペースが乗ってきたなと思ったら…『 チョット、いいかな? 』なんて具合に、そのペースを中断するように質問がなされる。教えれば、そこの所の知識は理解が深まったり、より定着しやすいことは確かだが…では自分の勉強はというとサッパリ進まない。これで果たして試験対策が成り立つのだろうか?

 教えてもらう方だってそうである。よく『 分からない所は、出来る人から聞くといい 』と言われているが…確かに、これもあながち間違いではない。しかし、ではこれで全てがうまくいくのかというと、決してそうではない。出来る人から教えてもらっても、それが果たして納得のいく、つまり質問した人が納得のいくような解答へと導かれるのかというと…決してそうではないからである。教えてもらったけれども、今一つよく分からない。でも、わざわざ時間を割いて教えてくれているのだから、とりあえず分かったように生返事をするだけ…。こんな経験のある人は、決して少なくはないはずである。もし、そんな状況であれば…質問した方も質問に答えている方も、全く持って無駄な時間を過ごしていることになる。そう、試験対策にかけるべき重要な時間を、浪費していることになる。

 実際、(質問している人に)ある程度の知識が無ければ、質問したところで納得のいく解答を得られることは少ない。講義等を聞いての(講師に対する)質問の場合は、その講義中に〝ある程度の知識〟が与えられているので、その質問は活きてくる。しかし…今まで勉強しておらず、少々参考書を読んだくらいの知識しか持っていない人間の質問に対し、納得する答えを与えるのは、中々難しいことなのである。講師を生業としている我々ならともかく、学力があると言っても、単なる一受験生である人にとっては、それは難しい行為であると言わざるを得ない。

 こういうことを書くと、すぐに『 試験対策では、仲よくやったらいけないんですか? 』という、極端な輩がいるが…。試験対策をやっていて、同じ受験生同士仲良くなることは別に悪いことではない。実際、ウチの塾生さんでも、毎年、仲良くなる人間は何人か出てくる。勉強も一緒にやっていたりする。しかし…一緒にやってはいるが、一人ひとりで勉強している。それぞれが、己がやるべき勉強を黙々とやっているのだ。時折、分からないことを質問したり、教え合ったりはしているが、あくまでも〝時折〟であり、メインの勉強はあくまでも〝一人で行っている勉強〟なのである。これこそが、『 試験対策における正しい教え合い 』である。一人ひとり、相手に関与せず、ひたすら自分の勉強をこなしていく。その過程で、どうしても分からないことがあった場合は、質問して力を借りることにする。相手に迷惑をかけない程度に…。相手の勉強に支障をきたさない範囲で…。これが〝大人の勉強法〟というものである。

 私は、予備校での人間関係は、ドライなモノであって決して構わないと思っている。合格するために、勉強をしに来ているのだ。遊びに来ている訳でもなければ、友達を作りに来ている訳でもない。試験対策を行っている者同士、最低限のマナーさえあれば、それ以上の親密さなど必要ないとも思っている。一人でやりたい者は、一人で勉強すればいい。もちろん、仲良くなる人達が出てくる場合もあるだろう。それはそれでいいと思っている。仲良くなること自体、全然、悪いことではない。しかし、〝仲良くなる〟=〝ドライではない〟とはならない。仲良くあっても、ドライである関係など山のようにある。『 それはそれ、これはこれ 』である。仲良くなった挙句に、『 一緒に合格しようね 』が悪い方向に進んで、試験対策自体がグダグダになってしまうなら、それは本末転倒である。試験対策は基本一人でやるもの。これを常に心がけていれば、決して仲良くなっても、その関係は悪いモノとはならないはずである。この言葉がある限り、『 それはそれ、これはこれ 』と仲良くなっても、ドライな関係が続けられるはずである。

 試験対策は基本一人でやるもの。これから国家試験対策に臨む人は、この言葉を常に意識して、人間関係に翻弄されない、有意義な試験対策を行ってほしいと思っている。そして…そんなドライな関係を続けられる仲間ができたとしたならば…それはそれで嬉しい限りではないだろうか?私はそう思っている。

 

 

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